「憲法に抵触するのではないか」
そのタイミングで、自民党の石破茂前首相が13日のTBS-CS番組で、改正皇室典範について「さらなる改正が必要だ」と明言した。男系男子の養子縁組について「賛成ではないという方がものすごく多い。国民の総意がそこにあるとするなら、憲法に抵触するのではないか」と疑問を呈した。
26日のラジオ日本番組では「新しい皇室典範は今の憲法とあまり齟齬、違いがないようにしなければならないが、男女同権、職業選択の自由など基本的人権が、皇族、なかんずく陛下はものすごく制限をされている。なぜ許されるのか」と述べた。
石破氏は、天皇皇后両陛下のオランダ・ベルギー訪問(6月13日〜26日)に随行し、陛下とも訪欧前後に会食したと伝えられ、その発言が注目されていた。だが、今の自民党内では、再改正の提案は戯れ言扱いだろう。
改正皇室典範を主導してきた麻生太郎副総裁は8月17日の産経新聞の検証記事に登場し、6月30日の日本維新の会の藤田文武共同代表との会談で、改正案提出に向け、「安倍(晋三元首相)が亡くなった以上、俺がやるしかない。何とか形にしたい」と説得したことが報じられた。麻生氏は7月23日の麻生派の会合で「ようやく、本当に典範改正を成し遂げることができた」と喜んでいたが、改めての「勝利宣言」なのだろう。
「養親は誰か」「考えている。いる」
木原官房長官は8月17日の産経のインタビューで、皇族と旧宮家との養子縁組について「自由意志に基づき具体化しなければならず、これからが本番だ。結論が出てすべて整ってから発表することになる」の段取りを示した。
養親候補は、常陸宮さま・華子さま、三笠宮彬子さま、瑶子さま、寛仁親王妃家信子さま、高円宮妃久子さま、承子さまの7人だ。信子さまは麻生氏の妹、彬子さまと瑶子さまは姪に当たる。
麻生氏は、25年6月ごろから旧宮家養子案を前面に打ち出してきたが、当時、周辺から「養親は誰を想定しているのか」と問われ、具体的には答えなかったが、「考えている。いる」と明言した。当てがあったのだろう。
三笠宮百合子さま(24年11月死去)が務めていた三笠宮家当主を彬子さまが継承し、確執が伝えられる信子さまが三笠宮寛仁親王妃家の当主として独立することになったのは、25年9月の皇室経済会議のことだった。
皇室に関わりのある閣僚経験者の一人はこう見る。「旧宮家から養子を迎える受け皿(養親)を増やす狙いもあったと思う。でも、「『自由意志』を得た皇族方がどう出て来られるのか、そこは分からない」

