「即レス」はやめていい

仕事において、「すぐ返すこと」に固執していると、リズムが崩れていきます。メールを受け取ったらすぐに開いて返す。こうした「即レス」を続けていると細かいやり取りが増え、仕事は軽くなりません。

SNSチャットメッセージとコミュニケーション
写真=iStock.com/tadamichi
即レスする人は「いつでも対応してくれる人」として認識される。その結果、確認や相談が集まりやすくなり、依頼の窓口のような位置になっていく……。(写真はイメージです)

即レスする人は、一見すると仕事が早く、信頼されるように見えます。しかし実際には、即レスを優先するほど思考は途切れ、仕事の質は下がっていきます。すぐに対応しているはずなのに余裕がなくなるのは、構造によるものです。重要なのは反応の速さではなく、どのタイミングで反応するかです。

通知や依頼には、すぐ応じるのが当然とされています。相手を待たせてはいけない、早く返すほうが評価される。この前提があるため、本来は考えてから返すべき内容でも、整理しないまま反応してしまう。その場では対応できたように見えたとしても、やり取りはそこで終わりません。返信をきっかけに追加の確認や相談が生まれ、仕事が増えていきます。早く返すほど、次の仕事を呼び込んでしまうのです。

資料をつくっている最中にチャットが届いた場面を考えてみます。本来であれば、区切りのよいところまで作業を進めてから確認したほうが流れは保たれます。しかし即レスが習慣になっていると、一旦手を止めて対応に当たるため、そのあと元の作業を再開する際には、どこまで進んでいたかを思い出すところから始めなければなりません。こうした分断が積み重なると、まとまった思考ができなくなります。

「常に対応する人」となり、仕事が増え続ける

また、判断が必要な相談でも問題が起きます。すぐに答えようとすると、十分に検討しないまま結論を出してしまう。その場は収まっても、あとから認識のずれが見つかり、やり直しや追加のやり取りが発生する。早く返したことで、かえって時間を使う非効率な結果になります。

さらに、この行動は役割にも影響します。即レスする人は、「いつでも対応してくれる人」として認識されます。その結果、確認や相談が集まりやすくなり、依頼の窓口のような位置になっていきます。丁寧に対応しているつもりでも、気づけば自分の仕事よりもやり取りに時間を使っている状態になるのです。

即レスはよいこととされているため、見直すきっかけが生まれません。「常に対応する人」という役割が強化されていき、さらに依頼が集まります。即レスは、構造として仕事を増やし続けます。

見直すべきなのは、「どれだけ早く返すか」ではなく「いつ返すか」です。すぐに対応すべきものか、まとめて返せるものかを切り分ける。作業中であれば区切りを優先し、判断が必要な内容は時間を取って考えることが大切です。

POINT
・即レスが逆に仕事を増やす
・反応のタイミングを選び、仕事の質を守る