博士は中国当局によって3年間も収監

専門家としての倫理や責任を問う激しい批判が矢のように飛んでくる中、賀博士は会場から姿を消した。殺到する報道陣の取材を避けたのではない。中国当局が即座に動いたからだ。その後博士は行方不明になったと噂されていたが、実際には逮捕、軟禁され、大学の研究室から追い出され、妻や娘たちと引き離され、自宅から遠く離れた刑務所に、3年間入れられていた。

のちに広東省の調査班が公表したのは、賀博士が自らの「名誉と利益のために」、倫理審査申請書類を捏造し、実験参加者の血液検査に替え玉を使い、中国の倫理道徳と科学研究への信頼に著しく傷をつけ、国の法令に違反したこの一連の行為によって、国内外に極めて悪い影響を与えたというものだった。

北京天安門広場の人民大会堂
写真=iStock.com/Peng Wang
中国の首都・北京  ※写真はイメージです

メンツを何よりも大事にする中国にとって、賀博士には顔に泥を塗られたも同然だろう。