中国向け売上比率が過去2年で45%→26%まで低下
ここ数年、日系装置メーカー各社の業績は、中国市場の旺盛な設備投資需要の恩恵を大いに享受してきた。かねてより「自立自強」を掲げる中国は、半導体についても自給率向上を目指し、日本や欧米などの海外企業から積極的に装置を購入してきた。
2022年に米国による先端半導体関連の輸出規制が始まると、さらなる規制強化の可能性を踏まえた「駆け込み需要」も発生し、2023~24年にかけて日系装置メーカーの中国向け売上は大きく増加。中国向け売上を開示している日系装置メーカー上位5社(東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREEN、ディスコ、KOKUSAI ELECTRIC)の中国向け売上比率は、ピーク時の2024年4~6月期には45.0%にまで達していた。
しかし、直近で発表された2026年4~6月期決算においては、この比率が26.3%まで低下しているのだ。
これ自体は、先端半導体需要の拡大に伴う台湾や韓国向け売上の急増が主な要因であるほか、2026年4~6月期に関しては、SCREENにおいて中国向けの大型案件が下期に後ずれした影響も大きい。しかし、日系装置メーカーの中国向け売上がピーク時に比べて減少していることは事実であり、今後を展望した時にも、各社の中国向け売上が再びかつての勢いを取り戻すとは楽観視しにくい要素がいくつか存在している。
中国で進む「装置の内製化」
まず、短期的な先行きを見るうえで注目すべきなのが、財務省貿易統計における半導体製造装置の中国向け輸出額の推移である。
一般的に、半導体製造装置は顧客工場への据え付けや検収が完了した時点で売上として認識されるケースが多く、輸出から企業の売上計上までには数カ月程度のタイムラグが発生する。このため、厳密には海外現地法人経由の販売やサービス収入は対象に含まれないなどの違いはあるものの、貿易統計上の中国向け輸出額は、日系装置メーカーの中国向け売上の先行きを占うための有効な先行指標の一つと見ることができる。
その中国向け輸出額が、2025年以降、前年同月比で一貫して減少を続けているのである。もちろん、すでに販売済みの装置の保守点検等に係るサービス収入などによる一定程度の下支えはあるだろうが、こうした輸出額の傾向を踏まえると、今後、各社の中国向け売上が短期的に再び大きく伸びる展開は描きにくい。
また、より中長期的な制約要因として指摘できるのが、中国における「内製化」の加速である。先述の通り、かねてより半導体の自給率向上を国家目標としてきた中国だが、足元ではその対象が半導体そのものだけでなく、製造装置や材料を含むサプライチェーン全体に広がっている。


