OTC類似薬の「25%追加負担」
もうひとつ、見逃せない議論が「OTC類似薬」の扱いです。
OTC類似薬とは、ドラッグストアで買える市販薬(OTC医薬品)と、ほぼ同じ成分・効果を持つ「処方薬」のことです。たとえば、痛み止めのロキソプロフェンや、アレルギーの薬などが該当します。
これらの薬は病院でも処方されますが、「市販でも買えるのに、病院で処方してもらえば安く済む」という状態が、医療費を押し上げている一因とされ、以前から見直しの声が上がっていました。
2027年3月より、病院でOTC類似薬を処方してもらう場合、25%を患者の追加負担として余計に支払うことになります。
OTC類似薬については、完全に保険適応外にする案もありましたが、最終的には、対象となる約77成分・1100品目について、薬代の4分の1を自己負担させる形で決着しています。
なお子どもやがん患者、低所得の人などは対象から外れる方向です。
工夫次第で医療費を減らすことも可能
このように、政府はなりふり構わず医療費抑制に取り組んでいますので、高齢者をはじめ、個々人の医療費負担はさらに増えることが予想されます。
ただ、そうやって負担が増えていく一方で、政府は個々人の医療費支出を減らせる仕組みづくりを進めてきました。
こうした制度をうまく活用することで、医療費を減らすこともできるわけです。
ここではその代表的な制度をご紹介します。
①セルフメディケーション
セルフメディケーションとは、軽いケガや体調不良を、病院に行かずに市販薬などで自分で手当てすることです。
頭痛、発熱、軽い胃もたれといった軽い症状で毎回病院に行っていると、診察代・処方箋代・薬代がかさみます。高齢者の場合、患者本人の負担は1~2割ですが、残りは医療保険から支出されています。
そのため、政府としては、病院に行かなくてもいいくらいの軽い不調は「自分で対処」してほしいわけです。
このセルフメディケーションを支える存在が「スイッチOTC医薬品」です。
スイッチOTC医薬品とは、医療用の成分を市販薬に切り替えたもののことです。病院で処方される薬と同じ有効成分が入っているため、効き目はそのままに、薬局やドラッグストアで買うことができます。
また、スイッチOTC医薬品は、次でご紹介する「セルフメディケーション税制」の対象にもなっており、購入費用を所得控除につなげることもできます。

