精神論では若者は動かない
若者に向かって「もっと頑張れ」「もっと消費しろ」「結婚して子どもを持て」と呼びかけても意味はない。精神論で動かせる段階はとっくに終わっている。住宅費、税、社会保険料、子育て負担、働いたときの報酬を変え、若者がもう一度「社会に参加したほうが得だ」と思える設計に戻すしかない。
若者は不幸だから反乱しているのではない。むしろ幸福になる方法を見つけたからこそ、社会から降りられるようになった。声を上げず、石も投げず、ただ給料明細と家賃と制度表を眺め、自分の差し出すものを減らしていく。「独身こどおじFIRE」とは私が便宜的につけたふざけた造語だから、あまり深刻さが伝わっていないかもしれないが、若者がこの方向に一斉に進み始めたら、いまの社会の平常運転を守ることはできなくなる。胡乱な文筆家が弄している与太話だと思わず、真剣に考えたほうがよいだろう。

