「赤穂工場?」三菱電機で起きた草の根活動

三菱電機では2021年に品質不正問題が発覚し、全社的な風土改革を進めていましたが、同社の赤穂工場では問題対応に追われ、改革は後手に回っていた状態でした。

そこで一人の社員が、工場長へ「変革のための枠組みをつくりたい」と直談判し、具体的なアイデアを提案したのです。それをきっかけに始まったのが「雑相ざっそうの会」(注2)。部門を超えて雑談することで、相互理解を促す取り組みでした。

そこから「顔見知り」のつながりが増えていった結果、新たに部門横断的にナレッジや課題を共有する「赤穂工場で学ぼう(旧赤穂学習塾)」という取り組みもスタートしました。雑談から業務内容も積極的に共有する文化が生まれたのです。

さらに社内SNSに「赤穂工場を知ろう」というチャネルを開設。他拠点から「赤穂工場ってどこ?」と聞かれるほど知名度の低かった赤穂工場の取り組みが全社的に知られることとなり、全社的な変革プロジェクトとも連携していくようになったのです。

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写真=iStock.com/metamorworks
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注2:「GOOD ACTION AWARD:1本のメールから始まった組織風土改革。大企業の地方拠点で『自発的に動き始めた』人たちが職場を変える」(インディードリクルートパートナーズ、2025)

ソニーグループで雑談から生まれたもの

ソニーグループでは「雑談」から新たな取り組みが生まれました。2019年に発足した「Leaders Lab(リーダーズラボ)」は、部長職のコミュニティです(注3)

同社には部長クラスの定型的な研修がなく、自己流でマネジメントすることになるため、「これでいいのだろうか」と課題意識を持つ人が多かったのです。そこで10名程度の有志でプロジェクトを発足。人材育成やチームビルディングに関するセミナーなど年4回ほどイベントを開催するようになりました。

参加者はイベントごとに増え、多いときで200名ほどが参加するようになり、オンライン開催やワークショップなど、イベント形式も多様になってきました。同じ立場のリーダーたちが集まり、悩みや知見を共有する場をつくることで、組織横断的なつながりが生まれたのです。

さらに運営するメンバーは年々入れ替わるなど、コミュニティの新陳代謝も図られています。

注3:「リクルートワークス研究所:自発的にマネジメントやリーダーシップを学び合うコミュニティ『Leaders Lab』――ソニーグループ」(インディードリクルートパートナーズ、2023)