月曜日と火曜日の「夜」の使い方が鍵

そのために彼らは、火曜と水曜の午前中に「ディープワーク」と呼ばれる、外部の割り込みを遮断した集中作業の時間を設けています。

この時間は会議やメールへの反応を後回しにして、ここ一番の仕事にだけ向き合うのです。

アクセルを踏むためには、月曜日と火曜日の「夜」の使い方が鍵となります。

月曜日の夜は「翌朝の最初の1時間で何をするか」を決め、翌朝の仕事を整理して眠りにつきます。これにより、火曜日の朝に最高のスタートダッシュが切れるのです。

月曜日の夜が 「スタートダッシュに備える夜」であるのに対し、火曜日の夜は「勢いを確認する夜」です。

弊社が支援したIT企業の営業リーダー層は、火曜日の夜に「今週最も力を注いでいる案件の進捗」を「1行メモ」にまとめる習慣を継続しています。

これにより、水曜日の朝にチームへ出す指示が明確になり、水曜午後の会議の密度が向上しました。

個人の夜の習慣が、翌日の仕事の質やチーム全体の成果を決定づけるのです。

金曜の夕方から休日モードへ切り替える

金曜日に、その週の遅れを取り戻そうと残業をする人は少なくありません。

しかし、火曜日と水曜日に全力を投じる一流のビジネスパーソンは、金曜日には大きくペースを落としています。

彼らは金曜の午前中に残務を処理し、午後は会議を入れない時間に設定して、翌週の準備や週末の計画を整える時間に充てています。

前著『世界の一流は「休日」に何をしているのか』でも触れた通り、彼らは金曜日の15時頃から週末の予定を立てたり、早めに仕事を切り上げたりすることで、金曜日の夕方から一足先に休日モードへと切り替えます。

この早い段階でのスイッチの切り替えが、心身の回復を早めるのです。

PCを操作するビジネスマン
写真=iStock.com/Liubomyr Vorona
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一方で、成果を出せない人は金曜日の夜まで残業をして疲弊し、土曜日の朝を強い疲労感とともに迎える傾向があります。

金曜日の負担を軽減することが仕事の結果につながりやすい理由は、次の3つの点に整理できます。

【理由①】金曜日で1週間の印象が決まる

1つ目は、心理学者で行動経済学者のダニエル・カーネマンが提唱した「ピークエンドの法則」による心理的影響です。

人間は一連の経験を「最も強烈な瞬間」と「終わり方」で記憶し評価するため、1週間の終わり方である金曜日の過ごし方が、週全体の印象を決定づけるのです。

金曜の夜を疲労困憊で終えると、その1週間は「疲れた5日間」として記憶されます。

対して、穏やかに1週間を終えることができれば「充実した5日間」として記憶され、週末以降のマインドセットが大きく向上します。

金曜日の午後に意識的にペースを落とすべき理由は、この記憶のメカニズムにあります。