入社後に始まるSDPの10年間の研修と、その後の体系的な経営幹部候補研修、さらには現場力強化の研修など社員のステージに応じた育成システムを整備している。しかも、単に社員にやさしいだけではなく、管理職の処遇制度の見直しに象徴されるように挑戦意欲を促す仕組みもある。

「長期安定雇用は社員にとって安心感があります。ただし、そのことで皆が“ぬるま湯”的で、のほほんとなってしまえば競争で負けていくことになります。雇用を確保しつつ、人の生産性を常に高めていかなければならないし、そのためには切磋琢磨していくことが一番大事だと思っています」(酒井部長)

同社の事業領域は繊維、フィルムなどの素材分野だけではなく医薬医療など多岐にわたっており、持ち株会社制は、独立性を付与することで遠心力を高めたいとの狙いもある。一方、人材面ではグループ横断の人事方針と施策の遂行による求心力を働かせることで活性化を図ろうとする。同社の取り組みはグローバル化を含むグループ経営を推進する一つのモデルともいえるだろう。