新人育成や目まぐるしい新サービス投入に振り回され、疲弊する接客サービスの現場。そんな現場の悩みを解消するだけでなく、アイデアが次々に湧いてくる場へ蘇生する。プログラムの核は、15分の「すきま時間」に書き込む、2種類のワークシートだ。

あらゆる顧客接点でスタッフの笑顔が消えていないか

小売店舗、デパートやスーパーの売り場、飲食店、携帯電話ショップ、旅行代理店といったサービス販売窓口――。これらの顧客接点現場を、数人から数十人くらいのスタッフと共に運営する店長やマネジャー、リーダーの方たちはいま、こんな悩みを抱えてはいないだろうか。

・新人の定着率が悪い。育成しきらないうちに辞めてしまい、スタッフの大半が経験1年未満だ。
・数少ない中堅以上のスタッフは、次々と入れ替わる新人の教育に疲弊している。彼ら(彼女ら)への業務集中も深刻化している。
・本部から新しい商品やサービス、キャンペーンの指示が矢継ぎ早に降ってきて、自分もスタッフも対応しきれない。「どうしよう」という気持ちは「仕方ない」に変わってきている。
・そんなスタッフたちに接客されるせいか、笑顔で店を出る顧客は少ない。スタッフの笑顔も、最近あまり見ていない。

現代のあらゆる顧客接点現場が抱えるこうした悩みを解消するだけでなく、サービスをよりよいものにしていくアイデアが、スタッフから次々と湧き出してくるような現場へと変えていくことはできないだろうか。そうした問題意識から、顧客接点現場を研究し、実際の現場で数々の実証を行い開発したものが、ここで紹介する「すきま時間プログラム」である。ここではプログラムの中核をなす2種類のワークシートと、その運用のポイントを解説する。さらにプログラムを導入した現場がどのように変化していくかも、事例を交えて紹介したい。