ガス炊きでも失敗しない「ライスポット」
ホーローとは金属製品の表面にガラス質の釉薬を吹き付けて高温で焼き付ける技術。臭いや味が金属に移るのを防ぎ、さらに蓄熱性が高く、サビに強いなど多くのメリットがある。
バーミキュラの名を一躍広めたのが、2016年発売の炊飯器「バーミキュラ ライスポット」だ。専用に開発した鋳物ホーロー鍋と立体加熱ができるポットヒーターの組み合わせでごはんが失敗なく炊ける仕組み。もともと、バーミキュラの鍋で炊くごはんが美味しいが、ガスだと失敗することも多い、という声に応えて生まれた製品。ごはんだけでなく、多彩なおかず調理もできる。
「バーミキュラライスポット」は発売から10年が経つが、その完成度の高さは今なお色褪せない。鋳物ホーロー鍋と加熱部のポットヒーターという組み合わせのため、保温機能はないが、電気炊飯器というカテゴリーの中ではいまでも、炊きたての美味しさでトップクラスなのだ。
「ライスポットには、ゴム部品などが一切ないんです。一般的な炊飯器はゴムの部品だとかプラスチックだとか、色々な部品がついているので、樹脂部品の匂いがお米に移っちゃう」(土方氏)
便利家電ではなく、あくまで「道具」
さらにライスポットも高い密閉性を実現している。「0.01mmの密閉性で香りや旨味を閉じ込めるから、いい香りが立つし食材にその香りが残るので美味しくなる」(土方氏)。鋳物の重たいふたで密閉することによって圧力がかかるため、ごはんの炊き上がりがふっくらするのだという。
炊飯においては、ガス火が優れていることは一般的に知られているが、土方氏はその理由を「立体加熱」という言葉で説明する。「ガス火と底加熱のIHを比較すると、ガス火の方が料理が美味しくできることが分かっていて、それはガスが側面からも熱が加わる立体加熱だからなんです」(土方氏)
ライスポットは上部だけでなく側面にもヒーターを配置することで、この立体加熱を電気で再現し、料理人も認める美味しさを実現している。発売から10年を経ても色褪せない魅力について、土方氏はライスポットを便利なだけの家電ではなく、あくまで「道具」であることにこだわりがあると語る。
「調理・料理をするための道具であることが大事だと思っていて、便利家電ではなく、道具をリリースしていきたいという思いがあります」(土方氏)

