「やろうと思っている」では損をする
「今やろうと思ったのに!」
子どもの頃、親に対してこんなことを言ったことがありませんか? まさにやろうとしていたときに先に注意されると、勉強もお手伝いもする気が一気に失せたのではないかと思います。
でも、親の立場になってみると、言わずにはいられないのもわかります。だって、実際に「やろうと思っている」ようには見えなかったのですから……。ドラえもんにもこんなエピソードがあります。
右手にコップを持ち、ストローでジュースを飲みながら、のび太は熱心にドラえもんとオセロをしています。かたわらで、心配になってきたのび太のママが、注意します。
「もういやなのよ。毎日同じことばかりくり返すの。学期末テストも近いことだし、少しはお勉強したらどうなの?」
すると、のび太は小生意気な返事をします。
「やりますとも! やる気のないときにしたって身につかないの。やる気になるのを待ってるの」
「いつ、やる気になるのよ」
ママが尋ねると、のび太は舌をペロリと出しながら、てきとうな返事をします。
「さあ……、一時間後か……、あすか……、来週か来月か……」
この態度に猛烈に腹を立てたママは、オセロを強引に取り上げ怒鳴りつけます。
「今すぐやりなさい! わかったわね、すぐによ!」
ヒステリックに命令されたのび太は、「ぜったいにやらない!」と叫んで、部屋を出ていってしまいました。
『てんとう虫コミックス ドラえもんプラス 第2巻』小学館 第1話目「変心うちわ」
催促される前に「やる気」を見せておく
会社でも、上司に言われたことをなかなかやらない人がいます。
「先週、頼んだあれ、いつできる?」
何にも言ってこない部下に、上司は思わず催促することになります。こんな催促をされると、部下としては「信用されてないのかなあ」とがっかりするかもしれません。しかし、上司のほうも、本当はこんなことは聞きたくないはず。できれば、催促される前に動いてほしい。これが上司のホンネだと思うのです。
夫婦間でも同じでしょう。夫が妻に、あるいは妻が夫に「いったい、いつになったら動き始めるのやら」とイライラする場面はたくさんあることでしょう。
たしかに、やる気が起きないときは本当に起きないもの。モチベーションが低いまま無理して動いても、いい仕事はできませんから、時期を見極めるのも悪いことではありません。だから、のび太の言うことにも一理あります。一理はあるけれども、じゃあ、のび太のやる気がいつ訪れるのか。それが見えないからママは怒らずにはいられないのだということも、気づくべきでしょう。
つまり、このセリフを吐くからには、「やる気のある態度」も普段からきちんと見せておく必要があるのだと思います。
いつもてきぱき動いている人が、そのときに限って動かないのであれば「あいつなりにタイミングを見計らっているんだな」と解釈してもらえますが、そうでなければ「また、ぐうたらしている」と烙印を押されてしまいます。普段から、周囲には何度か「やる気」を見せておきましょう。



