※本稿は、横山泰行『ポケット版「のび太」が教えてくれたこと』(アスコム)の一部を再編集したものです。
「落ち込んでも引きずらない」のび太の立ち直り方
私たちの悪いクセの一つに、くよくよ思い悩むというのがあります。なかでも、疑心暗鬼になって根拠もないことをあれこれ考えるのは最悪。「ママ友の○○さんは、私のことをみんなに悪く言っているに違いない」なんて考え出したら最後。悪いことしか想像できなくなってしまいます。自分がつらいのはもちろんのこと、周囲もうんざりして本当に離れていってしまうかもしれません。
のび太もしょっちゅう、勝手に落ち込んではみんなに迷惑をかけています。でも、のび太のいいところは、立ち直りも早いところ。いくら落ち込んでも、それをいつまでも引きずらないのです。落ち込んだり立ち直ったりの繰り返しこそ、のび太の成長材料かもしれません。ドラえもんには、こんなエピソードがあります。
なにかにつけ自信を持てずにいるのび太は、学校でも登下校時でも、いつもみんなに笑われているような気がしてなりません。
ある日、そんなグチを聞かされたドラえもんは、そういうのび太のひがみっぽいところは嫌いだと言うものの、肩を叩きながら励ましもします。
「きみがいちばん悪いのは自分がだめだと思い込んでるとこだ。自信を持て‼ 自信を。そしたらなんでもきっとうまくいくよ」
それでも、のび太はドラえもんに背を向け、肩を落として神妙に語ります。
「自信なんか持てるわけないや。ほんとにダメなんだもん」
そんなのび太を見て、ドラえもんは、ひみつ道具の「自信ヘルメット」を取り出しました。「自信ヘルメット」は「人の言っていることが、自分に都合よく聞こえる。世界が自分のためにあるような気がする」という変わった道具です。のび太にこれをかぶせたドラえもんは、ダイヤルを「強」に合わせました。
「気分はどう? ひがみやのメソメソくん」
ドラえもんの嫌味な言葉さえ、都合よく聞こえている様子ののび太。
「いやあ、そんなにほめられるとてれるなあ」と明るい笑顔で答えたのです。
『てんとう虫コミックススペシャル ドラえもんカラー作品集 第5巻』小学館 第15話目「自信ヘルメット」
なんでも都合よく解釈すればいい
こんな態度を、「おめでたいヤツ」などと私たちは表現しますが、これこそ究極の幸せの道ではないでしょうか。物事をいい方向にとらえて、自分が気分よくいられるのなら、それで万々歳。自分の心の持ち方については、誰に遠慮することもありませんよね。
あなただって、ちょっとしたことで落ち込んだら最後、いちいち物事を悪い方向に考えてしまって、なかなか気分を立て直せないことがあるでしょう。そんなときは、のび太のこのエピソードを思い出して、なんでも都合よく考えてしまいましょう。

