最近は持ち家派の論調が増えている

最近は「マイホームは購入すべき」という、持ち家派の論調が増えてきました。インフレになると住宅価格も家賃も上がりますが、借り入れしている住宅ローンの元本は増えないから、というのが理屈です。

バブル崩壊後、長らく続いたデフレの時代だと、家は買った瞬間、大きく価値が下がると言われていました。住み続けるほど価値は下がる、というのが多くの人にとって常識だったので、価値が下がるものを買うより、賃貸で住み続ける、住み替えるというのが合理的とされた時代もありました。

インフレになったことで、「住宅価格は上がるもの」という考えが広がってきました。購入した家に生涯住み続けるのならば、経済的に見て、年々賃料が上がる「賃貸」を続けるより、持ち家の方が経済的にもメリットが大きくなります。

だから、「多額のローンを組んででも、今のうちに買った方がいい」という主張が増えてきているのです。

「どうしても家を購入したい」という強い思いがあるならば、主張の通り、一刻も早く購入した方がいいでしょう。しかし、そうではないならば、購入と賃貸のメリット・デメリットを比較してから吟味するのがベターです。

「MY HOME」と書かれた家の模型と、書類に記入する人
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

購入と賃貸のメリット・デメリット

マイホームを購入するにしても、賃貸を続けるにしても、どちらにもメリット、デメリットがあります(図表3)。

【図表3】購入と賃貸のメリット・デメリットを比較
作成=Money&You

購入のメリットは、住宅ローンを完済すれば住居費の負担が減ることが大きいです。インフレ時代ではなおさらです。完済後も固定資産税などの税金やリフォーム費用は発生しますが、自分の資産になるので、いざとなれば売却してお金に換えることも可能です。リフォームや間取りの変更も自由にできる点もメリットです。

一方、転勤などがあっても簡単に住み替えはできない点や、住宅ローンを完済したころには設備の老朽化やエリアの寂れが進んでいる可能性がある点はデメリットです。

賃貸のメリットは、ライフスタイルや家族構成に応じて住むエリアや間取りを臨機応変に住み替えできる点です。独身のときは費用を抑えてコンパクトな家、結婚して子どもが生まれたら広い家、子どもが独立したらコンパクトな家という具合に住み替えがしやすいです。

設備の新しい家や活気のあるエリアに柔軟に住み替えできる点も押さえておきたいところです。ローンを組まないので、頭金や諸経費のためのまとまった資金が不要なのもメリットと言えるでしょう。

ただし、賃料は生涯発生する点、原則2年ごとに更新料が必要になる点などから、インフレ時代では特にデメリットになるでしょう。高齢になると貸してもらえなくなる可能性もあります。

このように購入と賃貸には一長一短あります。