購入VS賃貸 シミュレーション
インフレ時代では、購入した家に生涯住み続けるのならば、「賃貸」を続けるより経済的にもメリットが大きくなる傾向にあります。ただし、細かい前提やどんなライフスタイルを送るかによっても変わる部分は大きい点には留意ください。
購入と賃貸でどちらか悩まれている方のために、生涯の住居費シミュレーションをしておきましょう。
図表4は30歳の夫婦が6000万円の新築(長期優良住宅)を購入した場合と、賃貸に住み続けた場合の住居費の違いです。長寿化の傾向から90歳まで生きる仮定にしました。
購入ですが、マンション購入とし、住宅ローンは年1%の変動金利とし、35年のローン返済期間中の金利が変わらない場合で試算しています。賃貸の場合、子どもの成長にあわせて広い部屋に、子育てが終わって夫婦2人になるとコンパクトな部屋に住み替えると想定しています。
金利条件や物件により試算結果は当然変わるので、あくまでも目安ですが、このケースで試算をすると、購入のほうが賃貸より約171万円安くなります。とはいえ、金額だけを見て「購入」がいいと考えるのは早計です。
購入は頭金500万円が準備できているという前提です。加えて、変動金利が上昇しない前提ですので、今後金利が上昇していくと、購入の方が賃貸よりも経済的な負担が増す可能性は十分にあります。
ただし、図表4のシミュレーションには含めていませんが、購入において、90歳時点でマンションの資産価値があり、無事売却ができればその分は住居費用を圧縮できます。
ライフプランに合わせて選択するのが正解
将来購入したいという強い思いがあるのならば、インフレ時代では、早いうちの購入をおすすめします。
住宅ローンの返済が定年後まで続くと老後の生活を圧迫しますので、借りるなら早いほうがいい。加えて、インフレ時代は金利が上昇していくフェーズでもあります。住宅ローンの金利が上昇していくのであれば、金利が低いうちに借りておいた方が負担を抑えられます。
頭金が準備できていないから購入できないという方もいるかもしれませんが、いまは、頭金なしで全額を住宅ローンで借り入れすることも可能になっています。
頭金でたくさんの資金を入れず、その分をNISAで運用するというのも、インフレに備えた考えとしては合理的かもしれません。早い時期に住宅ローンを組み、その後に繰上返済を行うという考え方もあります。
ただし、インフレ時代とはいえ、どの物件の価格も上昇するわけではありません。購入する場合、資産価値が下がりにくいエリアや幅広い世代にニーズのあるエリアにある物件を選びましょう。売却したり、人に貸したりすることになっても安心です。
購入か賃貸か迷っている方は、それぞれのメリット・デメリットを把握し、損得だけでなく、ライフプランに合わせて選択すること。誰にとっても「正解」はなく、人によって「正解」は異なります。
なんとなく選ぶのではなく、納得した上で選んだものならば、どちらを選んでも正解です。



