AIという荒野を耕し続けるのは誰か
学生時代にはじめてインターネットに出会い、触れたときの、あの興奮。それを肌身で体感しているからこそ、30年が経ったいま、AIがもたらす衝撃を誰よりも敏感に感じ取っている。そして、AIの底知れない可能性に、誰よりも胸を躍らせている。
私たちが身を置いてきたインターネット産業の30年は、おそらく人類史上稀に見る、奇跡のような「ボーナスタイム」でした。
(中略)私を含む幾多のプレーヤーたちがその恩恵を最大限に享受することで、この国にインターネットという新しいインフラを根づかせることができたのです。
そしていま、私たちの眼前には、AIという新たな「更地(フィールド)」が広がっています。
(中略)次の30年、この荒野を誰よりもしつこく、いかがわしく耕し続けられるのは、いったい誰でしょうか?(同書「第7章 起業」より)
このメッセージは、読者への問いかけであると同時に、自らにかけた発破でもあったのだ。
「もう、AIが愛しくて仕方ないんですよ! 一生懸命考えてくれるし、かと思えば、めちゃくちゃポンコツに間違えたりもするし……」
そう言って無邪気な笑みを浮かべる川邊氏。その表情は30年前、1枚の企画書を手にキャンパスを回って起業仲間を口説いていた、21歳の大学生のそれと同じなのだろう。


