流行を追う人には、流行はつくれない

そんな、独自の「川邊史観」でつづるインターネット産業の30年史。それを一言で象徴するキーワードがある――「いかがわしい」だ。

社会を根底から変えるような技術は、登場した瞬間には理解されません。理解されないどころか、既存の秩序を乱す「いかがわしい」ものとして、普通の人たちから嫌悪され、嘲笑され、ときには石礫を投げつけられる。その宿命からは逃れられません。

換言すれば、起業家とはこの社会的な摩擦に耐え、それでも前へ進む「いかがわしい」者のことを指します。(同書「第7章 起業」より)

インターネット自体が「いかがわしい」技術なら、それに群がったのもまた「いかがわしい」若者だった。だが、そのマグマのような熱狂こそがソフトバンクを生み、楽天を生み、サイバーエージェントを生んだのだ。

「いろんな仕事をして、いろんな人を見てきた経験から、確信をもって言えることがあります。『流行を追う人には、流行はつくれない』。『大丈夫か?』と周囲から心配されたり、眉をひそめられたりする人が、次の流行をつくるんです」