脳の衰えは前頭葉から始まる

脳の老化は前頭葉から始まります。その前頭葉とは大脳の前部にある部位の一つであり、知能や人格、理性、言語、運動などを司っているところです。ここが衰えてくると怒りっぽくなったり、気分がふさぎ込んで不機嫌になったり、意欲や好奇心が失われたり、身の回りに無関心になったりします。さらには車の運転に必要な注意力や判断力といった能力の低下ともつながっています。

その意欲や判断力、記憶力の衰えは、加齢による男性ホルモン(テストステロン)の分泌の減少によっても引き起こされます。この減少を食い止めるのに、一番手軽にできることは、男性ホルモンの分泌促進効果がある食べ物を摂取することです。

男性ホルモンの分泌促進には、アミノ酸を多く含むタンパク質をとることが必要となってきます。そして、その理想的な食べ物こそが「肉」なのです。

肉にはトリプトファンという必須アミノ酸が多く含まれています。これはセロトニンという神経伝達物質の材料で、肉に含まれるコレステロールがこれを脳に運んでくれるのです。

筆者が「肉を食べよう」と連呼するワケ

セロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれ、幸福感と密接に結びついている物質です。これが減少してくると気分が沈んだり、イライラしたりして、感情の不安定さを招きます。セロトニンは加齢によって分泌が減少していく物質であり、その減少が認知症の原因の一つだといわれています。つまり、セロトニンの減少を抑え、分泌を促すことができれば、脳の老化を遅らせることになるというわけです。だから、私はあらゆる機会をとらえて「肉を食べよう」といい続けているのです。

グリルで焼かれるステーキ
写真=iStock.com/rez-art
※写真はイメージです

肉に含まれるコレステロールには、そのほかに男性ホルモンや女性ホルモンの材料になり、老化を遅らせる働きがあることも覚えておくべきでしょう。また、セロトニンを保護する鞘のようなものも、コレステロールでできています。認知症予防においては、肉は必須の食べ物なのです。

肉以外にも、男性ホルモンを合成するために必要な亜鉛を含んだ食材(牡蠣など)、末梢血管を広げて血行を促進して脳を活性化するビタミンEを含んだ食材(ほうれん草など)、認知機能や筋肉の衰えを防ぐビタミンDを含んだ食材(鮭など)なども有効だといわれています。