成功者は「開運のカギ=言葉」を持っている。経済評論家・森永卓郎&作家・本田 健が古今東西の賢人たちの言葉を厳選、解説。
●金銭は君主の中の君主である
――マックス・ウェーバー(社会学者、経済学者)

【森永氏】多くの人がお金を欲しがる原因は、お金が権力の源泉になるからだ。お金があれば、好きなモノやサービスをいくらでも買える。人を雇うこともできるし、人を動かすこともできる。完全ではないにしろ、お金で人の心を買うことさえ可能だ。いくらお金があっても、恋人を買ってくることはできないが、質のよい服をまとい、美容サービスを受け、豪華な食事に誘って、高額のプレゼントをすれば、成功の確率が高まることは間違いない。

●お金は力だ。より多くのお金を持っていれば、それだけ多くの選択肢が与えられるからだ ――ロバート・キヨサキ(投資家)

【森永氏】お金は、選択肢の豊かさももたらす。例えば、正規運賃の航空券は、自分の都合で自由に便が変更できるだけでなく、キャンセル料も安い。一方、格安運賃の航空券は、予約変更が利かず、キャンセル料も高い。つまりお金のある人は自由気ままに生きることができるのに対して、お金がない人は人生を束縛される。だからぜいたくな暮らしをしていなくても、選択肢の豊かさというもう1つの豊かさをお金持ちは必ず享受しているのだ。

●富は海の水に似ている。それを飲めば飲むほど、のどが渇いてくる
――ショーペンハウエル(哲学者)

【森永氏】お金の怖いところは、一種の中毒性を持つことだ。通常は、お金は何かを買うための道具にすぎないが、あまりにたくさんお金を持つと、お金中毒にかかってしまう。いったん中毒になると、お金は単なる手段ではなくなり、お金が人生の目的そのものになってしまう。そして、お金が増えている間は安心していられるが、ちょっとでもお金が減ると不安になり、お金が減ることを非常に恐れるようになる。禁断症状が出るからだ。