食事ではカルシウムを十分に摂取する
さらに、食事についても意識を向けることが大切です。特に重要なポイントは以下の4点です。
・塩分の過剰摂取を避ける(男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満が推奨、ただし高血圧や慢性腎臓病を有する場合、男女とも6.0g/日未満が目標)
・動物性たんぱく質の過剰摂取を避ける(年齢差があるが、おおむね摂取エネルギーの13~20%が目標)
・適切なカルシウム摂取の維持(男性600~800mg/日、女性500~650mg/日が推奨)
・シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草、ナッツ、チョコレート、コーヒーなど)の過剰摂取を避ける
特に重要なのは「低カルシウム食を避けること」です。食品に含まれるカルシウム自体は、尿の中で石を作る直接の原因にはならず、むしろ腸管内でシュウ酸と結合し、その吸収を抑える役割を担ってくれます。
また、発汗で尿が濃縮した状態で、夜に「肉類中心の食事」や「シュウ酸を多く含む食品の偏った摂取」が重なると、結石形成リスクの上昇につながります。シュウ酸を多く含む食品を摂る際は、乳製品や大豆製品、小魚などカルシウムを含む食品を組み合わせることで、腸内でのシュウ酸の吸収を抑えることができます。
生活習慣で予防しやすい疾患
尿路結石は「のたうち回るほどの激痛」という側面ばかりが強調されがちですが、実は日頃の生活習慣によって発症前から予防しやすい疾患の一つです。医療の力を必要とする前段階で、自らの行動によってリスクをコントロールできる余地が大きい点は、この病気の特徴と言えます。
この夏、普段の水分摂取量を少し意識してみる。
その小さな心がけが、ある日突然、仕事や生活を中断させかねない“最大級の痛み”を遠ざける、最も現実的で確実な備えとなります。
※参考文献
・日本泌尿器科学会,日本尿路結石症学会,日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会.尿路結石症 診療ガイドライン 2023年版 第3版.医学図書出版.2023.


