歴史学の成果を無視した発言

それでも皇室に嫁いだ女性は、いくら周囲が気を遣っても、子供を産まなければならないというプレッシャーを受けるに違いない。しかも男子を生むことが事実上の責務だとなれば、プレッシャーの強さは想像に余りある。一般社会に生きるのとくらべて、比較にならないほどの重圧をかかえる道であり、そんな道を率先して選ぶ女性が現れるのだろうか、と大いに心配になる。

しかし、男系男子による皇位継承が、その支持者が訴えるように、日本の歴史や伝統の根幹を支えるものであるなら、ギリギリまでそれを守ることに意味があるだろう。実際、男系男子にこだわる論客は、国民が愛子天皇を支持するのは「皇位継承の本質が理解されていないから」だと訴えるが、男系男子は本当に皇位継承の本質なのだろうか。

高市総理は今年4月の自民党大会で、「126代にわたって、男系で皇統が継承されてきたという世界でも比類がない歴史的事実こそが、天皇の権威と正統性の源だと考えております」と述べた。これは歴史学の成果をまったく無視した発言である。