若い世代に多い事故の特徴
また、「車両相互」の出会い頭や正面衝突による死亡事故も、高齢になるほど割合が高くなる傾向が見られます。
若い世代では「人対車両」や「車両相互」の事故が多いのに対し、高齢になると「自分の操作や判断が関わる事故」が増えていくことが特徴です。
こうした違いは別の統計データでも確認されており、特に「単独事故」や「出会い頭の事故」は75歳以上で増える傾向があることが明らかになっています。
この結果は、先に記した事故原因の特徴とも一致しています。つまり、高齢ドライバーでは「操作ミス」や「確認不足」が、死亡事故の形としても表れていると考えられます。
高齢者に必要な「クリープ現象」活用テク
高齢ドライバーにとっては、スピードの出し過ぎを抑えるだけでなく、「交差点での確認」や「操作ミスを防ぐ工夫」といった点が、より重要になってくるといえます。
たとえば、「交差点での確認」を改善する方法としては、高齢運転者を対象とした実践型の交通安全セミナーに参加することで、プロの指導員とともに自身の悪い癖を見直したり、加齢に伴う身体機能の変化が運転に与える影響を学んだりすることが考えられます。
「操作ミスを防ぐ工夫」としては、操作ミスの代表であるアクセルとブレーキの踏み間違いであれば、踏み間違い防止装置によるリスク軽減が可能ですし、日頃からクリープ現象と呼ばれるような、最初はアクセルを踏まずに、ブレーキを緩めてゆっくり発進させて進行方向を確認してから、その後にアクセルを踏むような発進方法を行うことなどが有効でしょう。
高齢者は、事故=死亡に結び付きやすい
また、免許保有者10万人あたりの交通事故死者数(第一当事者)を、年齢別に示した表を見てみましょう。この表は、各年代の死亡事故件数を、35〜44歳を基準(1.0)として比較したものです。
この結果から、20代後半から40代前半は、免許保有者も多く、死者数の少ない年代であることがわかります。
一方で、特に75歳以上では、死者数が多くなっており、35〜44歳群の約8.6倍に達しています。65〜74歳の層でも、約3.1倍、55〜64歳の層でも約1.9倍という数値になっています。
既に記したように、高齢者は車両単独の事故が多いことも考慮すると、実は高齢者の事故受傷時における身体的脆弱性が影響していることも指摘できます。高齢者はひとたび事故を起こせば、若年層に比べて事故が発生した際に大きなダメージを受けやすいということです。


