だから大統領に再選できた

1期目の4年間が終わって、トランプ氏はバイデン氏にいったん負ける。その間もアメリカの衰退は止まらないんですね。そうしているうちにやっぱり敗者の意識を持つ、あるいはもっとアメリカのためにしてくれという人たちは増えてきて、ついに、大統領再選をトランプ氏が成し遂げるわけです。

2期目になってくると、1期目の反省から、「もう私の知らない人たち、私の言うことを聞かない人たちには任せない」ということで、外交も安全保障も自分の指揮下にしっかり入れた。8年間も政治をやっていれば知識もついてきて、それなりの運営ができるようになるんですね。

それで、ついに猛威を振るい始めた……と。しかも、トランプ氏の意のままに動く、一定の外交や安全保障を知っている人たちも周囲に集まってきて、今の状態になっています。

そこにさらに、自国の国益をかけたイスラエルのネタニヤフ首相が食い込んでくるわけです。

アメリカ主導の世界安定は見込めない

ネタニヤフ氏から「イランは大したことはない」とか「今、千載一遇のチャンスだ」と言われるわけです。さらに、アメリカの大統領は2期までですから、「歴史に名を残すチャンスですよ」と。これにはやっぱり功名心のあるトランプ氏はくすぐられてしまうんですよね。

2019年3月25日、ゴラン高原に対するイスラエルの主権を正式に承認する宣言に署名するドナルド・J・トランプ大統領
2019年3月25日、ゴラン高原に対するイスラエルの主権を正式に承認する宣言に署名するドナルド・J・トランプ大統領(写真=ホワイトハウス/Shealah Craighead/PD-USGov-POTUS/Wikimedia Commons)

そこで今に至っている。こうなってくると、いまさらアメリカの軍事力をもとにした安定の時代には戻らないですね。アメリカの国益になるんだということを国民に再認識してもらわないことには。ただそれと結びつける方式がなかなかないんです。

トランプ政権はあと2年半で終わるでしょう。次の大統領にどのような人が続くかどうかわからないところがありますけども、「ルールに基づく国際秩序」だとか「アメリカが主導して世界を安定させる」ということに対して、賛同するアメリカ国民がどれだけいるかというと、決して多くない。その状態で2028年の大統領選挙を迎えることは高い確率で言えると思うんですね。