Z世代のクリスチャンが増えている

――1950年代や60年代に限らず、一貫して世界で最も繁栄し、富を築いてきた国にもかかわらずこう不公平感が広がってしまった。「世界の警察官をやめる」と最初に言ったのはオバマ大統領(当時)でしたが、トランプ氏はそれを加速させているという流れですね。

次の大統領で、民主党側から「MAGA」の対極に位置するような人物が仮に当選した場合、今の秩序の解体であったり、アメリカが世界に関与しない流れはやはり変わらないと見たほうが自然なんでしょうか。

【今村】いろいろと変化は起きてきているんですよね。今のアメリカでは宗教への回帰みたいな動きもあります。Z世代のクリスチャンやカトリックが意外と増えているんですよね。やっぱり人々の繋がりを求めるとか、帰属意識を求めるみたいな話が出てきたりしています。

右vs左ではなく上vs下に

――なぜそういう動きになっているんですか。

【今村】疎外感ですよね、おそらく。教会ってそうしたものをちゃんと提供する機能自体はあったりしますから。

ただどちらかというと、そういった宗教へ回帰するのはまだ意識高い人たちであって、庶民に広がる話では必ずしもありません。庶民側は福音派みたいな別の動きもあるんですけども。

加えて、そうしたところの根源に所得の格差の話がありますから、もう右や左じゃなくて上と下だっていうふうなことを鋭く言う人たちも出てきています。民主党の方に結構実は増えてきているんです。ちょっと民主党はこちらに行くしかないんじゃないかという見方も出てきています。

今村 卓(いまむら・たかし)
丸紅経済研究所社長
2008年から17年まで丸紅米国会社ワシントン事務所長。ワシントン・ウォッチャーと丸紅の米国での政府渉外活動を通じて現場経験に裏付けられた独自の米国観を培う。2017年10月からは丸紅経済研究所を率いて、米国政治経済から世界経済、国際政治、経済安全保障まで分析、論説を行う。世界経済の中心を占め国際秩序を主導する米国の立場や観点を織り交ぜた独特の洞察を展開する。2021年から24年までAPECビジネス諮問委員会(ABAC)日本代理委員。日本経済団体連合会外交委員会企画部会長。日本経済新聞電子版Thinkエキスパート。一橋大学商学部商学科卒業。

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