「コーヒー」や「緑茶」には、認知機能を維持し、生活習慣病を予防して健康寿命を延ばすという数多くの研究報告がある。一方で、これらに含まれるカフェインの作用は体に悪影響をおよぼすこともある。ある獣医師は、「カフェイン断ち」をして3日後、「驚くべき効果が現れた」という。昨年発表された、ある実証実験結果も、同様の効果を示している。「カフェイン断ち」の最大のメリットとは――。

大して変わらないと思ったが…

「デカフェ、すごいんですよ!」

と、獣医師の齊藤朋子氏は強調する。ご存じの通り、デカフェとは“カフェインを除去した飲みもの”のことである。

「これまでコーヒーやお茶を飲んでも特に支障を感じたことはないですし、むしろコーヒーの香りが大好きで、朝昼夜と一杯ずつ、何も気にせずにブラックかミルクを入れてコーヒーを飲んでいたのです。けれども先月、健康のため5日間のファスティング(断食)にチャレンジした際、指導内容に『断食中はカフェインをやめましょう』とあったので従いました。コーヒーもお茶も飲むのをやめたのです。やる前は大して変わらないと思ったのですが……」

断食(&カフェイン断ち)をして3日め、「睡眠の質」が明らかに変わったという。

「以前は色々な考え事をしてなかなか寝つけないことがありましたし、寝入ってからも途中で目が覚めてしまうことがありました。ところが断食して3日めに、夜になると眠気が襲ってきて、布団に入るとスッと眠れたのです。そして入眠して6~7時間後の翌朝に、自然と目が覚めました。しかも頭がとてもスッキリしていたんです」

実証実験で確認された睡眠への影響

だがそれはカフェイン断ちではなく、断食の効果でもあるのでは? と筆者が尋ねると、

「違うと思います」と、齊藤氏。

「以前にもファスティングは時々していましたが、今回のみ変えたことがカフェイン断ちなのです。それに断食終了後もカフェイン断ちを続けていて、もう一カ月経ちましたが、やはり睡眠が変わったと実感しています。普段外にいることが多いので水筒にはルイボスティを入れたり、自動販売機では麦茶や水を買うことが多いですね」

カフェイン断ちをしてから、水分摂取量は変わらないのに、トイレに行く回数が激減したとも感じているそうだ。確かに、カフェインには利尿作用がある。

齊藤氏は獣医師として主に猫の不妊去勢手術を行っているため、「手術など仕事のパフォーマンスに影響はあったのか?」とも質問した。すると、これには首を横に振る。

「もともと手術中に疲れやすいとか、眠くなるなどはありませんでした。またカフェイン断ちをしても眠くるなることはありませんでした。仕事への影響はないですね」

実は齊藤氏と同じような実感を得ている人が「東北大学発スタートアップのストーリーライン社と、宮城県、NTT東日本宮城事業部が行った実証実験」でも確認されている。

管理栄養士の望月理恵子氏が説明をしてくれた。

「宮城県職員やNTT東日本社員118人を対象に、1日4杯のドリップコーヒーを摂取してもらい、睡眠の質や体調などを調べたものです。週ごとにカフェインの摂取量を変えており、1週目はレギュラーコーヒー4杯(カフェイン摂取量360mg)を、インターバルの期間を設けてから、2週目はデカフェ(カフェインレスコーヒー)を交えた4杯(カフェイン摂取量135mg)を摂取しています」