「権利消滅貯金」でも引き出せる可能性
これからは、郵便局を支えるために「日本郵政」が持つ「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の配当金だけでなく、満期から20年2カ月が経過して国に没収される「消滅貯金(権利消滅)」も使われます。
2007年10月に誕生した「ゆうちょ銀行」は民間銀行なので、預けた貯金は他の民間銀行と同じで「休眠預金」扱いになり、預金者が気づいた時に申請すれば、いつでも引き出せます。ただ、民営化前の2007年9月末前までに郵便局に預けた貯金は、「郵政管理・支援機構」というところに集められ、基本的には満期を過ぎて20年2カ月経つと、払い戻しの権利がなくなる「消滅貯金」となり、国に没収されます。
今ある貯金の多くは、もっとも満期が長い10年ものの定額貯金です。2007年9月末以前に預けたものなら、満期から20年を迎える2037年9月30日までに引き出さないと「消滅貯金」となってすべて国に没収されますので、注意が必要です。こうした貯金が、2025年3月時点で約3200億円(独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構「令和6年事業年度 財務諸表 郵便貯金勘定」)あります。
今ある貯金については、早く引き出すようにと2013年からさまざまなメディアでの広報活動で周知したり、「催告書」も繰り返し発送し続けています。けれど、発送した「催告書」の8割が、現在に至っても本人に届いていないというのです(独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構担当者)。だとしたら、心当たりがある人は、権利消滅の前に、早急に自分の貯金を引き出しましょう。
古い通帳や貯金証書があればそれで引き出せるし、こうしたものがなくても貯金していた覚えがあるなら、請求者本人の確認ができる書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)を持って郵便局やゆうちょ銀行の窓口に行き「現存調査」を依頼しましょう。相続人が、親や祖父母など亡くなられた方の口座を探す場合には、戸籍謄本なども必要です。
すでに権利が消滅している場合でも、「真にやむを得ない事情」と判断されれば、払い戻しが可能なケースもあります。
たとえば、親や祖父母が内緒で子ども名義の貯金をしていた場合や、貯金していた本人が病気や海外赴任などで物理的に払い出しの手続きできなかった場合、災害などで通帳や証書などの関連書類を消失してしまった場合などです。
心当たりがあるなら、とりあえず郵便局、ゆうちょ銀行の各店舗、ゆうちょコールセンターなどで相談してみるといいでしょう。


