アスリートは、その体に生まれるかどうかが99%――。フォロワー18万8000人を超える為末大さんが、2カ月前につぶやいた一言が波紋を呼んでいる。努力することが無駄といってしまったら身も蓋もないではないか、という反論が多く寄せられ、数日間にわたってオンライン上で努力論争が繰り広げられた。ツイートの全文はこうだ。
成功者が語る事は、結果を出した事に理由付けしているというのが半分ぐらいだと思う。アスリートもまずその体に生まれるかどうかが99%。そして選ばれた人たちが努力を語る。やればできると成功者は言うけれど、できる体に生まれる事が大前提。
— 為末 大 (@daijapan) 2013, 10月 21
成功は才能か、努力か。がんばっても結果につながらなければ無意味なのか。トップアスリートとして勝負に勝つことの厳しさ、成果を出し続けることの難しさと向き合ってきた為末さんの「無駄な努力もあるのでは?」という問題提起の真意は何だったのか?
それを言っちゃあおあしまいよ
――あの一言をつぶやかれたとき、こんな大論争になると予想していましたか?
【為末】いや、あまりなかったですね。どちらかというと「そんなこと、もうわかってるよ」と言われると思っていました。むしろ僕としてはいまさらあたりまえのことを言うのはちょっと恥ずかしかったのですが、意外にも反対意見が多かったのはすごく面白かったです。
――でも、ほとんどの人は「正論だ」とは言っていますよ。
【為末】正論だけどあなたがそれを言っちゃあおしまいよ、ということですね。正論って誰が言うかで受け止められ方が違いますよね。