ゼスプリが日本でのキウイ生産に進出

ニュージーランドがせっかく巨額のプロモーション費用をかけて作り上げた日本のマーケットが、冬場に日本の生産量不足、あるいは不満足な品質の果実供給によって縮小してしまうことに対し、ゼスプリ側は危機感を持っていた。

「通年でキウイが売り場に並んでいる状況を作りたい」「日本人が作れないのであれば、私たちが直接作る」という考えの下に、ゼスプリが直接日本国内でキウイ生産を始めるという行動に出た。

安価となった日本の労働力や、南半球からの輸送コスト削減というメリットにも目をつけ、ニュージーランドのトップ生産者が宮崎県で直営の農園を運営する。その他にも、ゼスプリ傘下の農業法人が佐賀県で生産を開始するなど、九州を中心に海外勢の生産拠点が拡大しているのだ。

また、三重県の農業法人などもニュージーランド企業と連携して生産を始めている。日本のスーパーに並ぶ国産キウイを、海外の企業が日本人を雇用して作っているという現象は、多くの消費者にとって意外な事実だろう。

ゼスプリVS国内プレーヤーの戦いが始まった

しかし、彼らの目論見は必ずしも順調ではない。

大きな壁となっているのが日本の「過酷な気候」である。ニュージーランドの最高気温が26〜27度程度でストレスの少ない環境下で選抜された品種を、最高気温が40度近くになる日本の猛暑に持ち込んでも適応するのは難しい。

香川県庁で長年キウイの品種開発に携わり、現在はキウイをはじめとする果樹栽培を行う農業法人Orchard&Technology代表の末澤克彦さんによれば、「ストレスまみれの環境下では、実年齢に対して肉体年齢が一気に老化してしまうようなもの。ニュージーランドのマイルドな自然環境で育つキウイと同じパフォーマンスを日本で発揮させるのは容易ではない」という。その結果、収量や品質等でかなりのハンディキャップが生まれてしまう。

これに対し、国内プレイヤーも、香川県で県独自の国産の品種を使いながら、この空白市場を狙って大規模生産に乗り出す動きを見せている。

キウイフルーツの畑
末澤農園提供
キウイフルーツの畑