1日150グラムを目標に肉食を!

しかし、ただ単に「肉食=悪」という思い込みを捨てれば高齢者の食生活が変わるかと、話はそう簡単ではありません。正しい知識に基づいて行動したくても、体がそれについてこれない人もいるからです。

日本人の場合、高齢になるにつれて胃腸が弱り、肉をあまり食べられなくなる人はめずらしくありません。めずらしくないどころか、そもそも日本人の胃腸はあまり肉食に向いていないように思われます。

これは、長年にわたって粗食を強いられてきたせいもあるでしょう。また、江戸時代には、獣肉食が(少なくとも建前としては)禁じられていました。実際には、病気の治療や滋養のために獣肉を「薬」と称して食べることはありましたし(これを「薬喰い」といいます)、ウサギを「1羽、2羽」と数えるのは「これは鳥だから食べていい」とこじつける方便だったという説もありますから、まったく肉を食べなかったわけではありません。