金融庁は今夏、「仕組み預金」と呼ばれる特殊な金融商品への規制強化に乗り出す。利回りの高さが特徴だが、銀行に有利、預金者に不利な構造になっている。その理由を解説する。

「預金」ではなくリスクのある「投資商品」

仕組み預金は、「預金」という名称から安全な商品と感じる人も多いと思いますが、実態は損をする可能性がある投資商品です。その分、銀行にとっては“おいしい商売”になっています。

仕組み預金には大きく2つの種類があります。①満期が変わるタイプと②元本の通貨が変わるタイプです。満期が変わるタイプは、満期が「最短1年・最長10年」などと定められており、いつ満期にするかの決定権は、銀行側にあります。また、満期まで金利が一定の「フラット型」と段階的に金利が上がっていく「ステップアップ型」があります。一方で元本の通貨が変わるタイプは、満期が1カ月程度と短めで、満期時に受け取る通貨が「円または外貨」となります。どちらになるかは、為替レートによって決まります。利息はいずれの場合も円で受け取ります。

では、それぞれのタイプの仕組み預金のどこにリスクがあるかを考えてみましょう。まず、満期が変わるタイプ。このタイプの仕組み預金には、2つの落とし穴があります。1つ目は原則、中途解約できないことです。やむをえない事情で解約する場合は「調整金(損害金)」が発生しますが、その金額の計算式はどこにも書いてありません。実際にいくら取られるのかはわからないのです。

(構成=向山 勇)