不動産市場に左右されないメリット

首都圏新築マンション購入者の36.7%が「資産として有利だから」という理由で購入を決断しています。

この動機自体は間違っていません。

しかし今回の試算が示すのは、「新幹線通勤移住のほうが毎月の家計にゆとりが生まれ、30年間で数百万〜3000万円以上の差がつく」という現実です。

・首都圏マンション購入:7324万円・月26.3万円・ペアローン前提・満員電車
・小田原への移住:3100万円・月17.9万円・単独ローン可能・新幹線指定席33分
・30年間の差額:約3000万円(月8.4万円×360カ月)+30年後に戸建てが完済して手元に残る

しかもこの差額は、不動産価格の上昇や値下がりを前提としたものではありません。毎月の支出差額を積み上げた結果であり、相場がどう動いても消えないメリットです。

小田原駅
写真=iStock.com/PhotoNetwork
※写真はイメージです

「将来の資産価値」か、「いまの生活費」か

さらに重要なのは「リセールバリューを期待しない」という視点です。

不動産価格が将来どうなるかは誰にもわかりません。しかし毎月8.4万円が手元に残ることは、今日から30年間、確実な事実です。これが新幹線通勤移住の本質的なメリットです。

ただしこの選択肢が合うのは条件次第です。

① テレワーク週2〜3日以上(毎日出社不要)
② 10年以上居住予定

これの条件が揃う人には、新幹線通勤移住は現実的な選択肢になります。

逆に毎日出社必須・転居の可能性あり・パートナーも東京勤務という方には向きません。

かつては「東京に住むこと」自体に価値がありました。しかしリモートワークが普及し、新幹線通勤が現実的な選択肢になった現在では、東京で働くことと東京に住むことは必ずしも同義ではありません。

東京の仕事や収入を活用しながら、住宅費の安い地域で暮らす――「東京を利用しながら東京に住まない」という発想が、住宅価格高騰時代の新しい選択肢になりつつあります。本稿の試算が、その判断の一助になれば幸いです。

【関連記事】
「年金だけで暮らす人」は早々に手放している…50代までに捨てておくべき「老後のお金を食い潰すもの」8選
新大阪駅から15分なのに巨大廃墟がそびえる…「消えた終着駅」が映し出す昭和のニュータウンの栄枯盛衰【2025年8月BEST】
地方衰退の一番の原因は「人口減少」ではない…山口の超富裕層が「住民税43億円」をまるっと抱えて移住した理由
ギャンブルでも、旅行でも、美術品収集でもない…和田秀樹が手を出すなという「世の中で一番金のかかる趣味」
利回り7%超の銘柄がゴロゴロある…お金の専門家が保有する「高配当&株主優待」合わせ技5銘柄【2025年7月BEST】