「新幹線通勤移住」はコスパが悪い?

「買いたいけど高すぎる」「でも賃貸を続けるのも不安」――多くの読者が、この問いの前で立ち止まっています。

無理して買えば家計の余白がなくなる。では「地方移住はどうか?」と考えても、「仕事は? 通勤は? 生活は?」という不安が立ちはだかります。

地方移住を考えた場合、有力な選択肢の一つとして新幹線定期券(FREX)を使って東京に通うという「新幹線通勤移住」が考えられます。

「地方移住=東京との縁を切る」ではありません。地方から東京に通うこの方法なら、東京の仕事を続けながら生活コストを大幅に下げられます。

今回は新幹線通勤移住について、コスト面だけでなく、補助金・通勤の現実・各都市の特色まで含めて、新幹線通勤が可能な10都市を選出して徹底比較しました。

「新幹線通勤はコスパが悪い」――そう思い込んでいた方には、意外な結果かもしれません。

あなたならどこを選ぶか、データを見た上で判断してみてはいかがでしょうか。

飛行機通勤を認める有名企業も

新幹線定期券(FREX)はおおむね200km以内の区間に設定されており、名古屋・仙台など遠距離は対象外です。FREXがあれば並行する在来線も乗車できます。

【図表2】新幹線定期券(FREX)の対象エリア

企業が新幹線通勤を通勤手当として支給する場合、「最も経済的かつ合理的な通勤経路」と認められれば月15万円まで非課税になります(所得税法)。ヤフー・メルカリ・noteなど一部の企業では飛行機・新幹線通勤を認め月15万円まで支給する制度を導入しています。

勤務先が通勤費を支給する場合、今回の試算の純メリットはさらに拡大します。ただし支給の可否・上限は会社の規定によって異なるため、事前に確認が必要です。

この条件を満たす10都市を対象に、首都圏マンションを購入したケース(平均購入価格7324万円、月約26.3万円)との比較を試算しました。

物件価格の差から30年間の追加通勤費を差し引いた「純メリット」で評価します(図表3)。

純メリット=東京との物件価格差-30年間の追加通勤費(東京23区内通勤定期月1.5万円との差額×360カ月)