お客はどこに消えたのか

ではインフレで国民の実質賃金が低下する時代の勝者がどこになるのかというと、有力な候補は「まいばすけっと」に代表されるミニスーパーです。

コンビニとそれほど違わないぐらいの広さのミニスーパーが都内に激増しています。過去にもミニスーパーという業態は何度か挑戦されてきたのですが「売上が小さいせいで店舗運営コストが高くなる」という問題があって伸びなかったものです。

ところがまいばすけっとはイノベーションでこの問題を解決しました。簡単に概略だけ説明すると肉や魚を店内で加工しないこと、総菜も店内で調理しないこと、野菜も肉も魚も売れ筋商品しか置かないことなどコストが上がらないように基本フォーマットを設計します。そのうえで直営店だけで運営し、オペレーションを標準化し、イオングループのPB商品や物流網を最大限に活用することで、小さいスーパーがカネを稼げるようにしたのです。

そうなると時代がミニスーパーに向かいます。「毎日少しずつ買う」「徒歩圏で買い物したい」というニーズからこれまではコンビニを利用していた高齢者や共働き世帯、単身者までが、インフレ時代に入りミニスーパーへと流れ始めたのです。これがまいばすけっとがコンビニキラーと呼ばれる理由です。

ただまいばすけっとにも弱点はあります。おにぎりやお弁当がお値段なりで、コンビニ弁当の美味しさにはかなわないのです。

ミニスーパー戦争を制する“有力候補”

お弁当が美味しくないのであればコンビニとミニスーパーは共存するかもしれないと思われていたところに、思わぬ形で参入してきたのがトライアルGOです。

トライアルGO店舗
プレスリリースより
トライアルGO店舗

トライアルは西日本で大きな勢力を持つ総合スーパーで、西友を買収したことで東日本にも勢力を広げることになりました。ここで西友の店舗を旗艦店として周囲にサテライト型のミニスーパーを展開しようとするのがトライアルGOです。

まだ開店から半年ちょっとでまいばすけっとと比較すると集客に苦戦している感じはありますが、なんといっても強みになりそうなのがお弁当や総菜です。

実は私は西友がトライアルの傘下に入って以降、西友の弁当を購入する機会が激増しました。西日本に出張するたびに利用していたので知っているのですが、トライアルの弁当は美味しいのです。

そしてこの点は今後店舗数を拡大していく際にはトライアルGOの最大の強みになるはずです。まだ首都圏のミニスーパー戦争は始まったばかりなのです。