「追いついた」それでも喜べない理由

その結果がどうなったのか、3社の月次比較をグラフでみてみましょう。まずは客単価の推移です(図表1)。

【図表1】コンビニ3社の既存店客単価月次比較
出所=各社月次データをもとに百年コンサルティング作成

前回の「一人負け記事」の段階では客単価はローソンやファミマがセブンに3ポイントほどの差をつけ引き離していました。この差が2025年以降、セブンが後追いする形で縮まっていき、2026年に入ると先行2社の客単価が落ち込んだことで3社団子の状態になっていきます。

3社の月次売上の推移でもセブンが引き離された状態は解消されます(図表2)。

【図表2】コンビニ3社の既存店売上月次比較
出所=各社月次データをもとに百年コンサルティング作成

2023年11月から2025年9月までセブン‐イレブンは長い売上高の低迷期にありました。ファミマ、ローソンと4~5ポイントも売上で差をつけられてきたのが、今年に入って3社の売上は均衡しているように見えます。

この分析の段階で私は「セブンは復活したのか」と早とちりしたのですが、その結論だと日頃の観察事実からの違和感が大きくなってしまいます。最近のセブンの店頭は昔にくらべてかなりガラガラな感じがするのです。

月次売上高のグラフを見るとこの一年間、確かにセブンは改善方向に見えますが、混戦になった原因はファミマとローソンの売上が失速してきたことです。

コンビニ離れが止まらない根本原因

そこでもう一段、分析を進めてみましょう。まずは客数の分析です(図表3)。

【図表3】コンビニ3社の既存店客数月次比較
出所=各社月次データをもとに百年コンサルティング作成

前回の「一人負け記事」でもコンビニ3社は月次の来店客の伸びが減少傾向にあったのですが、その後の一年半では客数がさらに減少していることがわかります。ファミマとセブンはほぼほぼ前年割れでローソンがなんとか1%プラスぐらいにとどまっていることがわかります。

コンビニ客数の減少はインフレが引き起こした現象です。我が国は長いデフレの時代が終わり、物価が毎月のように上がる時代に入りました。コンビニを回避する消費者が増え続けているのです。

2023年以降の消費者物価指数は平均で年率2.9%程度の上昇だと発表されています。しかしこの数字はみなさんの生活感覚と合わないのではないでしょうか?

実は消費者物価では食料が全体平均の2倍のペースで上がっているのです。消費者物価指数の細目で「生鮮食品を除く食料」という項目があります。これがほぼほぼコンビニの商品に相当するのですが、その値上がり率は2023年以降の平均で年率6.2%になります。これがコンビニが高い実感の裏付け数値です。