平均客単価「過去最高」の本当の意味

これは3年続くと物価が1.2倍になるインフレです。以前なら200円で買えたカップヌードルが250円になり、150円で買えたツナマヨおにぎりが180円になるレベルの数字だというと、みなさんの生活感ともぴったり合うのではないでしょうか?

そこでインフレの効果を調べるために「生鮮食品を除く食料の消費者物価指数」でコンビニの客単価を補正してみます(図表4)。よく給料について「名目賃金は上がったけどインフレで実質賃金は下がっている」といいます。それと同じでコンビニの実質客単価はどうなっているのかを調べるのです。

【図表4】コンビニ3社の既存店インフレ補正後客単価月次比較
出所=各社月次データをもとに百年コンサルティング作成

結果は驚くべきものかもしれません。2025年はコンビニの平均客単価が743.8円と過去最高になったと報道されているのですが、インフレを補正するとコンビニ3社とも月次の実質客単価は過去3年以上にわたって対前年で100を大きく割り込んでいます。

つまり顧客がコンビニで購入する平均の品数は減り続けているということです。コンビニの現場で起きていることは客数現象だけでなく、コンビニを習慣で利用しているひとたちが、品目数を減らして生活防衛していたのです。

そしてもっと残酷な事実が出てきます。

たどり着いたのは「3人負け」

客数(これはインフレ補正の必要なし)は先述したように一貫して増加率が低下傾向にあるうえに、インフレ補正した実質客単価がマイナスだということですから、当然ながら実質の売上高は月次でマイナスになります(図表5)。

【図表5】コンビニ3社の既存店インフレ補正後売上月次比較
出所=各社月次データをもとに百年コンサルティング作成

前回の「一人負け記事」の時期まではローソンとファミマがなんとか実質売上の前年割れをマイナス1%程度にとどめていたところから、その後の一年半で3社とも一気に実質売上高が右肩下がりになっていることがわかります。

とはいえ一番大変だったのが昨年の夏から秋にかけての時期で、今年に入ってからはマイナスの度合いが弱まっていることが救いかもしれません。

こうしてインフレを補正してみると、コンビニ業態自体がマイナス成長産業になっていることがはっきりします。セブン‐イレブンが同質化戦略で改革してファミマとローソンに追いついてみたところ、たどり着いた場所は残酷なことに「三人負け」のゴールだったのです。