目が合わなくなる、視線を外す…
〈男女共通の外見・表情の変化〉
・笑顔が少なくなる、または笑い方が以前と変わる
・目の周りがいつも腫れている(泣いているか、眠れていない)
・目が合わなくなる、視線を外すようになる
・お手洗いから戻ってきたとき目が赤い
・表情全体がこわばっている、固まっている
・全体的に「覇気がない」印象に変わる
ストレス症状としての表情の変化が起きる仕組みは、それなりに解明されています。
うつ状態になると、脳内のドーパミン系の活動が低下し精神運動制止という状態になります。平たくいうと、思考のスピードや身体動作の全体が遅くなる現象で、表情の変化の少なさ・笑顔の減少・動作のゆっくりさとして外部から観察できます。
また、表情の変化を筋電図で測定した研究では、うつ状態の人は笑顔に関係する顔の筋肉の活動が明らかに低下していることがわかっています。つまり、笑っているように見えないのは、表情筋の活動低下が関係しているのです。
周囲が感じる「なんか最近あの人、いつもと違うかも」という直感は、決して気のせいではなく、脳と体に起きている実際の変化を、人間の社会的センサーが察知している可能性が高いと言えます。
しかし、最近のリモートワークの普及、ZoomやTeamsでも顔を出さない企業文化などで、行動・外見・表情の変化に気づく機会が減ってしまってきていることを、産業医としては懸念しています。
まずは気になっていることを伝える
そして3つめは「声かけの注意点」です。
このような同僚の変化に気がついたとき、どのように対応するべきでしょうか。実際の声かけはなんと言えばいいのでしょうか。
同僚の“いつもと違う”変化に気がついたら、まずは、「ちょっといい? 最近なんかいつもと違う気がして、どうしたの?」と、声をかけてあげてください。特別な言葉は必要ありません。気がついたこと、気になっているということを伝えてあげてください。
そして、同僚が何か話し始めたら、その話を聞いてあげてください。ただ聞くだけで十分です。求められない限り、私はこう思うとか、こうした方がいいとかは言うべきではありません。気が利いたことを言おうとする必要もありません。
人は、なんらかの不安・ストレス・悩みがあるとき、聞いてもらえば9割の人はラクになります。解決策より先に、まず“聞いてもらえた“という体験が、その人の回復に大きく関係します。ですから、ただただ、頷いて聞いてあげてください。
話を聞いた後、できたら、「今日は話してくれてありがとう。何か私にできることある?」と聞いてみてください。もし「特にない」と言われたら、「よかったらまた話を聞かせてね」と終わりましょう。会社にカウンセリングサービスや産業医等がある場合は、利用したことがある人は、「私もこういうとき使ったことあるよ」と軽く紹介するのもよいかもしれません。

