特別な資さんではなく、日常の資さんに
「資さんに関しては、もう僕の過去の経歴なんか足元に及ばないぐらいのすごさなんですよ。50年続く重み、これが何より。私がつくった業態で50年続くものはまだない。とてつもないリスペクトがあります。
創業者の大西章資さんが大切にしたこと、歴史の積み重ね。これを大事にしながら資さんうどんを展開したい」
崎田氏は、資さんうどんに「家の食卓のすぐ隣にある、もう一つの食卓」という大きな価値を見た。彼が守ろうとしているのは、その「日常」である。
だからこそ、出汁のおいしさを最優先事項にできるし、おでん場がもたらす臨場感にもこだわる。資さんうどんで貫かれている非効率は、すべて意図された選択である。
「特別な資さんなんか僕はいらなくて、もうどんどん『日常』になってほしい」(崎田氏)
味を変えれば、効率化すれば、資さんうどんはガストのような「便利な店」になれたかもしれない。だが、それは資さんうどんとは違う。50年かけて北九州で育った「日常の店」を、日常のまま全国に届ける――崎田氏のミッションはそこにある。
チェーンなのに非効率。巨大外食企業すかいらーくの中でも、資さんうどんは異質な存在と言えるだろう。崎田氏は、「現場目線」を生かし、「日常」という新たな価値の創出を目指している。後編では、すかいらーくが240億円を投じた買収の戦略的意図に迫る。

