日本は「みんなが平等に貧しくなった」
それについて考えるために、今回上梓したのが『プアジャパン インフレ世界を生き抜く資本戦略』です。内容は次の通りです。
第1章「〈近未来小説〉日本人を待っていた浅い眠り 2026年版」では、インフレと実質賃金の低下がこのまま続けば、どのような未来が訪れるかを描きました。
第2章「プアジャパンの現実と日本型スタグフレーション」では、さまざまなデータから、日本ではアメリカのように格差がとめどなく拡大しているわけではないものの、これはよいニュースではなく、「みんなが平等に貧しくなったことで格差が拡大しなかった」という不都合な現実を説明します。
そのうえで、日本の未来が「供給能力の低下によって引き起こされる逃げ場のないインフレ」であり、少子化によって失業率は低いものの実質賃金が下がりつづけ、どれだけ働いても貧しくなるだけという「日本型スタグフレーション」が待っていることを示します。
「仕組み」を知ることの重要性
第3章「金利と為替を理解する」では、インフレ時代の資産運用に必要な金利と為替の基本的な知識をまとめています。インフレ(物価の上昇)で起きることは金利の上昇と為替(円)の下落で、逆にいえば、それ以外のことは起きません。だったらそのリスクに保険をかければいいのですが、金利と為替の知識がないと、なにをすればいいのかわかりません。
第4章「インフレ時代の資産運用術(初級者編)」では、普通・定期預金、国債(新窓販国債・個人向け国債・物価連動国債)、外貨預金、米国債、株式など、初心者でも気軽にインフレヘッジに利用できる金融商品を紹介しています。金融市場はとてもよくできているので、ほとんどの場合、インフレのリスクにはこれだけで対処できます。
第5章「インフレ時代の資産運用術(上級者編)」では、初心者向けの入門書では扱われることのない信用取引、ブル/ベアETF、FX(外貨証拠金取引)、デリバティブ(先物・オプション)の基礎を紹介しています。
いまでは個人投資家でも、こうしたハイリスクな金融商品にアクセスする機会が増えました。その一方で金融機関は、デリバティブを組み込んだ、一見すると得に感じる金融商品(高金利で外貨建てでは元本保証など)を金融知識のない個人に売り込んでいます。実際に取引しないまでも、どのような仕組みになっているかを知っているだけで、資産運用に大きな差をつけることができるでしょう。


