疲労軽減に役立つ食べ物はあるのか。五輪代表選手や青山学院大学の駅伝選手などの体作りを支えるフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは「ストレスを消してくれる魔法の食べ物はないが、摂取量を増やせば、ストレスを軽くできる可能性がある食べ物はある」という――。

※本稿は、中野ジェームズ修一『大人気フィジカルトレーナーが本気で考えた 疲労回復の習慣』(日経ビジネス人文庫)の一部を再編集したものです。

色とりどりの野菜と果物
写真=iStock.com/AlexRaths
※写真はイメージです

ハードルを下げて「趣味」を探す

本書で取り上げたストレスコーピングのひとつ、「ストレスを忘れる」では、ストレスを忘れられる趣味、娯楽、スポーツなどを持つことを勧めています。

講演で私がそんな話をすると、「私にはこれといった趣味がなく、気晴らしもありません。どうしたらいいですか?」という質問が出ることもあります。

心理学では、好奇心、興味、関心がまったくゼロという人はいないというのが定説になっています。“趣味”という言葉を使ってしまうとハードルが上がり、「紅茶が好きと言えば好きだけれど、TVドラマ『相棒』の杉下右京ほどマニアックではないし……」と謙遜したくなるのかもしれません。

“趣味”なんてないと思ったら、ハードルを下げて、自分の好奇心、興味、関心の在り処はどこだろうと考えてみてください。考えるだけではなく、一歩進んで手帳やスマホなどにリストアップして“見える化”してみましょう。

スイーツ作りに挑戦してみた

自らの好奇心、興味、関心の在りかが明らかになったら、いちばんやりやすいものに取り組んでください。それで達成感が得られたら、脳内でドーパミンが分泌されますから、ストレスを忘れられます。

本来、ストレスによる疲労を、達成感でマスキングする(隠す)のは、決して褒められた行いではありません。疲れているのに、疲労を感じなくなったら、疲れへの対策を立てる気がなくなり、疲れが募るばかりです。しかし、ストレスで疲れているという自覚がありつつ、ストレスを一時的に忘れて楽になりたいなら、自分が好きなものに没頭してドーパミンを出すことも必要なのです。

私自身、何回生まれ変わってもトレーナーになりたいと思っているくらい、この仕事が大好きです。ただ、好きすぎるあまり仕事に没頭する悪いクセがあり、疲れているという自覚がなくても、疲労が溜まっていることがあります。

私はスイーツを食べることが大好き。スイーツづくりには好奇心も関心もありましたが、自分にはできないと決めつけていました。ところが先日、自宅で仕事が早めに終わったので、ふと思い立って雑誌のレシピを参照してアップルパイをつくってみました。

夜遅かったので1切れしか食べられなかったのですが、想像以上にうまくできたので、大きな達成感が得られて仕事のストレスも忘れられました。

それまでストレスを忘れたいときは、ランニングをしていました。ランニングは肉体的な疲労を伴いますが、スイーツづくりは肉体的疲労とは無縁。これからも機会があれば、ストレスを忘れる手段としてスイーツづくりにチャレンジしたいと思っています。

TODO
ストレスを忘れられる趣味、娯楽、スポーツなどを持ってみよう
趣味というほどでなくても、自分の関心があることなら何でもいいからやってみる
“趣味”がなければ、興味を持った物事について、自分がどう捉えたかを書き出そう