名将の戦術を成立させる「個の貢献」も

二つ目は、「局面を強制的に解決する圧倒的な質」です。

ノーミルク佐藤『サッカーIQを高める サッカーシステム完全講座』(かんき出版)
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戦術の目的は「効率よくゴールに近づくこと」ですが、どんなに完璧な崩しを見せても、最後は相手ディフェンダーとの「1vs1」、あるいはゴールキーパーとの駆け引きが待っています。

劣勢でも相手を剝がしきったり、ボールを奪いきったり、または強引にでもネットを揺らしたり、または、絶体絶命のピンチでも1人で守り切ってしまったり。先述した「良い選手」を指すと言っていいでしょう。

戦術とは、この「圧倒的な個」が、最も輝ける状態(例えば、得意な形での「1vs1」)を意図的に用意するためのお膳立てに他なりません。

「個」ではなく「組織」で戦うための戦術ではなく、「個」の価値を最大化させるための戦術。この主従関係を理解すると、スタープレーヤーの一挙手一投足が、チーム全体の知略の決勝に見えてくるはずです。

最後に、「自己犠牲という名の専門性」です。

「味方の+1を作るために、あえて自分が相手を引き連れてスペースを空ける」この動きは、スタッツ(数字)には残りません。しかし、この「数字にならない個の貢献」がなければ、どんな名将の戦術も成立しません。

現代の「個の力」には、チームの構造を支えるために、あえて黒子に徹することができるプロフェッショナリズムも含まれているのです。

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