「日本は軍事予算を増やしていますか?」

この巧妙なシステムから私が最初に手痛い教訓を得たのは、以前、中国グローバルテレビジョンネットワーク(CGTN)のインタビューを受けた時のことだ。

テーマは「沖縄と日米関係」だった。インタビューの中で、私は「日米関係は一定のバランスがとれおり、歴史的な摩擦はあるものの、沖縄の人々と米軍は経済的・文化的な領域においておおむね良好な関係を維持している」と指摘した。

しかし、その番組が放送された時、私の包括的な分析は跡形もなく消え去っていた。欺瞞的な切り張りによって、私の立場を完全に歪曲し、あたかも私が沖縄での米軍による犯罪にのみ焦点を当てているかのように仕立て上げたのである。

私の学術的な肩書きを乗っ取ることで、CGTNは中国共産党のプロパガンダのニーズに完璧に合致する、広範な反米感情という偽りのシナリオを捏造したのだ。

もう一つのよくある戦術が「文脈のロボトミー(一部切除)」である。中国国際放送のようなメディアは、地政学的な問題を議論するために国際的な学者を日常的に招待するが、そのインタビューは綿密に仕組まれた罠である。彼らは誘導的な質問を投げかける。「日本は軍事予算を増やしていますか?」と。

客観的なアナリストとして、私はこう答える。「はい。しかしそれは、中国の急速な軍事拡大を含め、ますます厳しさを増す地域の安全保障環境に対応するためです」。

中国東部、朝鮮半島、台湾、日本の一部の地図
写真=iStock.com/Juanmonino
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「普通」の質問をして回答させる

ところが、放送される際、その文章の極めて重要な後半部分は都合よく編集室の床に捨てられる。視聴者の耳に届くのは、欧米の学者が「日本の軍事予算の増加」と認めたという部分だけだ。これは、民主主義国家を侵略者として描くために仕組まれた嘘である。

中国メディアからの誘導的な質問の投げかけの「コードワード(決まり文句)」には他に次のようなものがある。

「日本の右翼ナショナリズムについてお話を伺いたい」
「在日米軍基地の問題についてお話ししたい」
「日本の防衛費増額についてお話ししたい」
「日中間の歴史問題についてお話ししたい」

これらはすべてごく普通の質問だが、彼らはこうした問題の背景にあるニュアンスを説明させない。あるいは、活字にしたりテレビで放送したりする際、こちらの回答の「一部」だけを切り取って使うのだ。