減反政策はカルテルそのもの
コメの減反(生産調整)は、減産して価格を高く維持するものである。カルテルは、価格だけでなく、本来事業者(生産者)が自主的に判断すべき生産数量、設備の新増設等を共同で決定する場合を含む。生産数量の共同決定はまさしく“生産調整”(減反)に他ならない。
これは、現状の規定では、カルテルとして独禁法の適用除外となるか、大幅に価格を上げるのであれば独禁法の適用除外とならない「不当に対価を引上げることとなる場合」に該当するか、いずれかとなる。
通常の年でも、減反がない場合のコメの「需給均衡価格」(※)は玄米60キログラムあたり1万1000円(国内市場だけの低い価格よりも輸出価格が高いので、この価格で生産・輸出・消費される)であるのに、JAが行わせている減反(生産調整)政策によって、1万5000円の米価を実現していた。
※ 需給均衡価格とは、その価格で消費者が買いたいと思う量と生産者が売りたいと思う量が一致する価格のこと。その価格よりも高ければ生産者はより多く生産し、消費者はより少なく消費する(高いと買い控える)ので、価格は需給均衡価格に向けて低下する。逆に価格が低ければ価格は需給均衡価格に向けて上昇する。図表2で国内市場だけの需給均衡価格は7千円となる。しかし、国際市場での価格がこれより高いときには、その価格で多く生産され、輸出が行われる。過去輸入されたカリフォルニア米の平均価格は9千円。日本米は国際市場でもこれより高く評価されているので1万1千円とした。
本来のコメ価格
仮に減反政策をしない場合のコメの小売価格を計算してみよう。
■精米5キロの小売価格
減反せず、輸出した場合の価格から精米5キロの値段を算出。
11000円÷60kgx5㎏÷0.91(玄米から精米への歩留まり)=1007円
ここに卸と小売りのマージンを加えて小売価格を算出。マージンは2年前は45%、最近時は20~30%なので、35%くらいと仮定した。
1007円×1.35=1359円
本来、精米5キロ1359円で買えるコメが、現在3644円となっているのである(減反で価格を引き上げていた2年前の2千円の価格と比較しても1.8倍の水準)。公正取引委員会の局長発言によれば、これは独占禁止法第22条の協同組合が適用除外になるカルテルではなく、その適用が及ばない「不当に対価を引上げる」場合に該当する。

