周波数、ポリタンク、お雑煮の餅…
マクドナルドの呼び方以外にも、日本の東西にはさまざまな違いがある。
家庭用電源の周波数が、東日本は50ヘルツ、西日本は60ヘルツになっている、という話は聞いたことがある人も多いだろう。他にも、ポリタンクの色が、東日本は赤、西日本(と北海道)は青になっていたり、お雑煮の餅が、東日本では角餅、西日本では丸餅が優勢になっていたりと、東と西にはさまざまな違いがあると言われる。
だが、「マクド」という略称の分布から分かるように、「西」と言っても西日本全体を指すわけではなく、また関西だけに限定されるわけでもない。
本書のメインテーマは、日本の地域区分である。日本を大きく分けるとすれば、まず挙げられるのが「東日本/西日本」という区分であろう。
「3つの関所」で引かれた境界線
まず気になるのは、「東西の境界はどこか」という点である。すでに語り尽くされたトピックではあるが、基礎的な情報をおさえておこう。
例えば、気象庁の天気予報で用いられる地域区分の場合、福井県から三重県にかけてのラインが「西日本」と「東日本」の境界となっている(図表3)。
これは、伊吹山地や鈴鹿山脈といった山々が連なり、古代には愛発関・不破関・鈴鹿関といういわゆる「三関」が置かれたラインとほぼ重なる(*3)。
三関のうち不破関は、のちに天下分け目の戦いの舞台となった関ヶ原に相当する。古代から中世にかけては、この三関よりも東側が「関東」と呼ばれた。
江戸に幕府が開かれ五街道が整備されると、東海道の途中である箱根に関所が設けられ、江戸防衛の重要な役割を担うことになった。江戸時代には、箱根関より東の「関八州」、すなわち武蔵、相模、上野、下野、上総、下総、安房、常陸の8カ国がひとまとまりの地域と見なされるようになった。これは現在の「関東」に相当する。

