「スキマ時間の有効活用」は逆効果

量をこなせない人が陥る最大の罠。それは「マルチタスク」です。

あなたの一日を振り返ってみてください。

電話を1本かける。不在だったからメールを送る。ふと「あのお客様への見積もり、まだだっけ?」と思い出して見積書を作り始める。作成中にチャットの通知が来て返信する。そしてまた、「さて、電話するか」とリストを見る……。

スマートフォンを使用したビジネスパーソン
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一見すると優先順位を柔軟に調整しながら「スキマ時間を有効活用している」ように見えるかもしれません。

しかし断言します。もしあなたがこのスタイルで仕事をしているなら、あなたは自ら生産性をドブに捨てているのと同じです。

なぜなら、人間の脳は構造上マルチタスクができないように作られているからです。

脳内リソースの無駄遣い

心理学において「スイッチング・コスト」という概念があります。

人間がタスクAからタスクBへと注意を切り替える際、脳は一度思考をリセットし再起動する必要があります。

学会の研究によると、一度切れた集中力を元の深いレベルに戻すには、平均して15~25分かかると言われています。

さらに「注意残余」という概念も重要です。ワシントン大学のソフィー・リロイ教授の研究によれば、タスクAを中断してタスクBに移ったとしても、脳の一部はまだタスクAのことを考え続けているといいます。

頭の中にたくさんのごみがある概念
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つまり、電話の合間にたった1通のメール返信を挟むだけで、あなたの脳は「電話モード」から「メールモード」へ切り替わり、再び「電話モード」のトップギアに戻るまでに15分のロスを支払わされ、しかも脳の一部はメールに奪われたまま電話をすることになるのです。

これを1日に10回繰り返せば、実質2時間以上の脳内リソースが無駄に浪費されている計算になります。

「忙しいのに仕事が終わらない」「夕方になると泥のように疲れている」。原因の正体はこれです。