ミドルシニア女性は職務経験が乏しい

21世紀職業財団の調査で、50代正社員の職務経験を男女別にみると、「他部門への異動」「出向・転籍」「転居有の国内転勤」「全社的な仕事」などで、軒並み女性のほうが低いことが分かりました。

(*定年を控えた)ミドルシニア女性の職務経験の乏しさは、現在までの年収水準や役職を抑えているだけではなく、今後の能力発揮や定年後の雇用確保のために大切な、リスキリングや学び直しへの姿勢にも影を落としています。

パーソル総合研究所の調査によると、リスキリングの具体的な順序として、新しいスキルを取り入れる心理的土壌を作るために、手慣れている過去のやり方を意識的に棄却する「アンラーニング」が重要ですが、このアンラーニングの経験が、特に中高年女性は低いことが分かりました。

オフィスでストレスを感じる人
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「限界認知」に至る経験が少ない

調査を行なった同研究所の小林祐児氏によると、アンラーニングの多い・少ないを左右するものは、本人が「これまでの仕事のやり方を続けても、成果や影響力発揮につながらない」と感じる「限界認知」です。小林氏は、その限界認知を得る機会となるのが、いわゆる業務上の「修羅場経験」と、未経験の領域や職場で仕事するなど、アウェーの環境を経験する「越境的業務」「新規企画・新規提案の業務」の3つだと整理した上で、中高年女性はこれらの経験が少ないと指摘しています。

つまり、過去の経験不足により、現在目の前で起きている社会や経営環境の変化を感知する力が磨かれず、「古い仕事の仕方を続けていても、役に立たなくなる」という危機感、切迫感を覚えないため、今後の活躍や定年後の雇用確保に向けた備えができない、ということです。