50代以降は女性の方が成長重視

まず、定年後の勤務先をみると、男女とも全体の約6割が「50歳当時と同じ会社」と回答しており、大部分が定年後も継続雇用などで働いていることが分かります。それ以外の回答割合を見ると、男性のほうが「50歳当時と同じ会社のグループ会社、関連会社」がやや多く、女性のほうが「50歳当時と別の会社」がやや多くなっています。つまり、女性のほうが、定年前後に思い切って新しい職場に飛び込んでいる人が多いようです。

同調査によると、仕事をする上で「自分を成長させること」を重視する人の割合は、40代までは男性が女性を上回っていましたが、50代以降は女性が逆転しています。ミドルシニア(*45歳以上の中高年)では、女性のほうが男性よりも「自分の成長につなげたい」「自分のためになることをしたい」といった内発的動機(仕事そのものを楽しむ動機付け)が強いことから、上述のようにリスクを伴う転職に踏み切る人が多いとも考えられます。

様々な年齢のビジネスウーマンが歩く
写真=iStock.com/maruco
※写真はイメージです

「ずっと平社員」の女性は多い

定年後の雇用形態は、男性では過半数が「契約社員」となっているのに対し、女性はパートやアルバイトが主流です。同じ調査より、定年後男女に「定年直前の年収を100%とした場合、今の年収は」と尋ね、50歳時の役職・コース等によって集計しました。定年後の年収が、定年前の7割未満になった人の割合を見ると、「男性・管理職/総合職」では約8割に上りましたが、「女性・管理職/総合職」では約7割、「女性・一般職」では約6割と、女性のほうが小さいことが分かりました。

続いて定年前後の役職のギャップを見ていきます。厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、無期雇用で働く45歳から59歳までの人のうち、「係長級」以上の役職に就いている人が占める割合は、男性が44.7%に対し、女性は19.9%です。「20年、30年と同じ会社で働き続けてもずっと平社員」という女性は多いのです。

役職定年や定年後の再雇用では、大抵は役職から外れます。したがって、定年前に高い役職に就いていた男性は心理的ギャップを抱える人が多いですが、女性だと、(*定年前の地位や収入が低いため)よくも悪くもそのギャップを抱える人が少ない、という訳です。