「精神的に自立した領域」を持てているか

【田中】ただ現代は、直接的な知り合いだけじゃなくて、実際に会ったことはないのに一応は知り合いであるという「薄い関係」も、増えているようです。SNSを開けば、そうした薄い知り合いの意見や感情が、いくらでも目に飛び込んでくる。

それによって人の命が救われることだって多くあるだろうし、寂しさが紛れることもあるだろうから、もちろんいけないことばかりではありません。それでもやはり私は思います。人というのは基本的にひとりで生きて、ひとりで死んでいくものだと。その厳粛な事実からは逃れられない。

水面に浮かぶ乾燥した葉
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人と一緒にいるときでも、自分の中で独自に考えていることがちゃんとありますか、というところを私は重視したい。物理的にひとりであるかどうかよりも、精神的に自立した領域を持っているかどうか。それを指して私は孤独と言っているし、そういう孤独の状態を失くしてしまってはいけないんじゃないかと主張したいです。