ナイキの厚底で2時間0分25秒

サブ2の達成はまだまだ先の未来かと思われたが、ひょっとするという可能性が見えてきた。その野望を本気で実現しようとしたスポーツメーカーがある。それがナイキだ。

2017年5月、フルマラソンで2時間切りを目指す「BREAKING2」という特殊プロジェクトを開催したのだ。スピードダウンを抑えるために鋭い曲がり角の少ない1周2.4kmのサーキット場で行われ、3人の挑戦者に対して、ペースメーカーを合計30人ほどスタンバイ。選手たちを向かい風から徹底ガードしながら、絶妙なペースでレースは進んだ。

2時間を切るには当時の世界記録(2時間2分57秒)と比較して、マイル(1.6km)ごとに7秒短縮しなければいけなかった。無謀なチャレンジかと思われたが、前年のリオ五輪の男子マラソンで金メダルを獲得したエリウド・キプチョゲ(ケニア)が2時間0分25秒で走破。2時間切りは果たせなかったものの、当時の世界記録を2分半近くも上回り、世界中のファンを驚かせた。