軍事的に困難な「渡海侵攻」

まず大前提として、台湾侵攻は軍事作戦として高難度だ。台湾海峡の幅は最短でも約130km、平均で180km前後あり、この距離を越えて兵力を展開するためには制空権、制海権、補給線の維持を同時に成立させる必要がある。

つまり中国軍は、単に上陸するだけではなく、海上輸送、航空優勢の確保、補給の維持、そして上陸後の戦闘継続という複数の機能を同時に成立させなければならない。

軍事史において渡海侵攻は最も困難な作戦の一つとされてきた。第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦が成功例として知られるが、それは圧倒的な制空・制海権と膨大な兵站能力、そして総力戦体制が揃っていたという特殊条件のもとでの例外だ。