15年後、20年後に起こること

ここで、図表1のグラフを見てください。糖尿病の合併症としての腎臓病(糖尿病性腎症)と高血圧の関係を示したものです。

ヘモグロビンA1c値(ここ1〜2カ月の血糖値の状態を示す数値。HbA1cとも表記する。単位は%で示し、一般的な正常値は4.6〜6.2%)が8.0以上と血糖値のコントロールが悪く、かつ高血圧の人は、腎臓病発症から5年後くらいから急激に尿アルブミン値が上がり始め、平均して15年後には透析が必要な値になります(図中左の濃い赤の線)。

同じく血糖値のコントロールが悪くても、血圧が正常なら尿アルブミン値が悪くなるのは15年過ぎてからで、透析が必要になるまで27年くらいかかっています(図中真ん中の赤い線)。

一方、糖尿病でも血糖値のコントロールがよく(HbA1cが6.9以下)、血圧も正常に保っていると、なかなか尿アルブミン値が上がらないのがわかるでしょう(図中右の黒い線)。

このことから、糖尿病がある人にとって、注意しなければならないのは血糖値よりもむしろ血圧だといえます。もちろん、血糖値コントロールも大事ですが、腎臓を守るためには、高血圧を治療することが必須なのです。

“肥満・コレステロール高め”は発症しやすい

糖尿病や高血圧はもちろん、狭心症や不整脈などの心疾患、肥満(BMIが25以上)、コレステロール値が高い脂質異常症、尿酸値が高い高尿酸血症などの生活習慣病を持つ人は、腎臓病を発症しやすいことがわかっています。

だから、こうした疾患がある人は、それだけ腎臓病に注意が必要なのですが、今の健康診断の検査項目だけでは注意のしようがないのです。それどころか、血清クレアチニンが指標になっているせいで、治療する機会を逸してしまいかねません。